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S*****s 发帖数: 7520 | 1 「死んだ街」
貧困と犯罪。この2つの病理が絡み合いながら、デトロイトは転落の一途をたどって
いる。
政府が認定する「貧困層」の収入水準で計算すると、貧困率は33.8%となり、大都
市(人口25万人以上)では全米最悪となっている。失業率は22%にも達する。
人々の生活苦は、そのまま犯罪の増加に結びつく。凶悪犯罪発生率は全米1位。196
0年代の暴動もあって、白人は市内から逃げ出し、黒人比率が82%となっている。
こうした負のスパイラルによって、人口減少が止まらない。50年頃には全米4位の1
80万人を誇ったが、今では半分の90万人まで落ち込んでいる。ここ数年も年2%の減少
が続く。
そして中心街は、ゴーストタウンと化している。多くのレストランや雑貨店が閉鎖
され、荒れ果てた状態だ。市内の3割が空き地と言われ、朽ち果てた工場やビルが放置
されている。
廃墟となったビル
廃墟となったビルが目立つ
ホームレスや泥酔した男性が昼間から街をさまよい、人々はますますダウンタウン
に寄りつかなくなる。
「この街は、もう死んだよ」
平日のダウンタウンの公園で、57歳のピーター?バイブルは、ベレー帽を目深に被っ
て座っていた。何もすることがない。アルコール依存症からは立ち直ったが、仕事は
週3日だけ。
「この街は職がないし、レイオフの話題ばかりだ。若者に未来がないよ。財政が破
綻しているから、学校教育なんてボロボロだからね」。そう言って、力なく笑った。
「すべては、自動車会社から税金が入らなくなったからさ」
眼前にはGMの巨大な本社ビル「ルネサンス?センター」が見える。だが、そのランド
マークがデトロイトをさらに窮地に追い込もうとしている。
超高層ビルが廃墟に
「GMが本社を移転する」
そんな噂が出たのは、破綻の直前のことだった。豪華な外観の超高層ビルだが、ひ
とたび足を踏み入れると、人もまばらで閑散としている。改修費だけで5億ドル(約4
90億円)を費やしてきたビルだが、レイオフが続いたこともあって、オフィスの半分
はもぬけの殻となった。そこでGMは、隣接するウォーレン市にある技術センターに、
本社機能を移すことを検討している。
GM本社ビル
デトロイトの中心に位置するGM本社ビル
ウォーレン市長は、既にGMに対して特別の税制優遇を提示した。移転後に購入した
機械や設備の固定資産税を全額免除する、といった破格の待遇が盛り込まれている。
“引き抜き”の事実を知ったデトロイト市長は、猛烈な反対運動を展開し始めた。
ウォーレン市長の税制優遇を「猿知恵だ」と批判し、移転阻止に向けたロビー活動に
走る。だが、米連邦破産法の適用申請で再建を目指すGMにとって、コスト削減効果が
あれば本社移転を実施する可能性は高い。
そしてGMが去ることになれば、デトロイトにとって30年以上にわたる「地域復興」
が挫折することになる。70年代、暴動などによって荒れ果てたダウンタウンを再開発
するために、中心地に「ルネサンス(復興)センター」を建設した。そこに主要テナ
ントとして本社を移したのがGMだった。 |
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